マラガ−客引きオヤジ、がんばる

コルドバからマラガに到着した時に、体の調子が最高潮に悪かった。かなり熱も出てるようでやばい状態。
バスステーションから近いところで宿をとり、翌日にはマラガを出ようと思っていた。
しかし宿が見つからず、仕方なしに中心地へと重い体と鞄を引きずりながら20分か30分歩き、やっとホテルの多い地帯へと出てきた。

とにかく横になりたい・・・。
あたりは昼間のようだが時刻は夜7時をまわっていた。こんな時間だとやはり宿はフルでどこでも首を振られる。
高そうなホテルにまで足を踏み入れたが答えはフル。
あぁ、野宿なのか?と思った時、一人の男が近づいてきた。

カバンを持って宿を探す外国人にご親切にも声をかけるのは・・・・・もちろんホテルの客引きである。
客引きには不安があったが、もう自分で探す元気がなかったので、オヤジの後に仕方なくついていく事にした。
この陽気なイタリア系おやじは、おしゃべりしながら軽快に歩いていく。
途中、やはり宿にあぶれた外国人の女子2人を強引に勧誘し、一行は人気の少ない通りへと向かって行った。

おやじのお薦めホテルは妙に寂しい通りにあった。しかも看板がでてない・・・
(スペインではたいがいHOTEL・HOSTEL・PENSSIONの区別とランクを表す星マークがでていた)
なんだか不安・・・・・・私と同様に外国人女子たちも不安を隠せない。
怪しげな雑居ビルのインターホンで、おやじは何やら話し込み出した。
オヤジは私に「泊まれないって言ってるが君の部屋は絶対確保する!」と宣言し再びインターホンにかじりつく。
その間に、なにやら小声で相談していた外国人女子二人はスキをみてこっそり逃亡をはかった。
待ってー!!!と思ったが、一緒に走っていく元気は残されておらず、一人残される私・・・

あぁ、売春宿にでも監禁されたらどうしよう・・・そういえばさっき通りががりの男子二人が私と建物を交互に見てこちらに意味ありげに笑いかけてたし・・・ここはやっぱり怪しい悪の巣なのね・・・
と、一人妄想に浸っていると一人のさわやか男性が現れた、とゆうか帰ってきた。
どうやら目的の宿の主人らしい。オヤジと男性は話をし中に入れることとなった。
直感がこの主人に警戒心をもたなかったので、少し安心してクラッシク(?)なエレベータに乗り宿の階までついっていった。

宿の中に入ると、アメリカ人家族が子供を抱えた女性相手に粘り強く交渉をしている。
宿代のことでゴネたおし、なんとか勝利を収めたようで、けたたましく部屋に消えていった。
すると私の分のシングル部屋が埋まってしまい、悪いが部屋がなくなったと主人がすまなそうに言った。

しかし、私の客引きオヤジはこれくらいのことでは引き下がらなかった。
奴はこの宿の部屋のことは知り尽くしているようだ。たった一つだけ空いてる部屋がある事を知っていたのだ。
なにやら猛然と主人に食って掛かる。
がんばれっ!!おやじ!!と思いながら、私には1つ気になる事があった。
オヤジは私のほうを指し「●☆△(多分スペイン語)、チカ!」「ナンタラ・ナンタラ(多分スペイン語)、チカ」 と何度も言っている。
「チカ」と言うたび私を指差すので、どうやら「チカ」は私のこと?
「チカ」の意味は分からないのだが「チノ」が中国人を蔑視してよぶ言葉であるときいたことがある。
もしかしてなにやらアジア人に対しての蔑視の言葉なのか・・・。

オヤジの必死のがんばりのおかげで、二人客の為にあけておいたダブルの部屋をを与えてもらうこととなった。
そして、得意げな客引きオヤジが私からチップを受け取り機嫌よく去った後、部屋で私は頭痛のうずまく頭を抱えてカバンの底からほとんど使っていなかった小さなスペイン語の本をひっぱりだし、例の単語を調べ上げた。

「チカ」=少女

一人でニヤリと笑ってしまった。
オヤジは「この日本人の少女は泊まるとこもなくどうするんだ!!こんな少女を放っぽり出すのか!」
とか何とか言って、宿の主人を丸め込んだのかもしれない。(←あくまで都合よく推論。)
しかし、残念なことに当の少女は既にどう間違えても少女とは言えない年齢なのだ。
あぁ、あのオヤジにもっとチップをはずんであげればよかった!
と素敵なお部屋でカリカリ梅を噛みしめながら客引きオヤジに感謝を捧げたのであった。
(全く検討違いだろうけど)

※オヤジが獲得してくれたのは清潔なお部屋で、部屋の中にあるバスルームもブルーのタイルばりで美しかった。
私の泊まったダブルの部屋は5500セペタだったが気持ちだけおまけってことで5000セペタに。
(当時のレートで3800円くらいだったかな?)
日本でこんな料金では泊まれないか・・。
ちなみにシングルは3500セペタだったかな。

記述:2001

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