日本語VSスペイン語

旅の終盤。バルセロナからマドリッドに朝早くバスで戻ってきた。
駅で朝ごはんを食べようとしたが、ひどく混雑していたので人が引くまで待つ事にして、
自動販売機で買ったスナック菓子をベンチでつまみながら、ぼんやりと人を眺めてると
気の良さそうなオヤジが話し掛けてきた。

しかしスペイン語だ。
疲れているので日本語で「ごめん。スペイン語できない」と謝った。
すると、頷きはしたがオヤジは立ち去らず、何やらゆっくりとスペイン語で語りだす。
「何言ってるか分かんない」と言うと、オヤジはすまなそうな顔をした。・・・でも立ち去らない。
仕方ないので、聞いていたウォークマンをオヤジの耳にセットしてみた。
すると、オヤジはご機嫌なご様子。リズムをとりながら「☆●△×■◎!!!」と言っている。
「OK?」と尋ねると「SUI!(yes)」
「良かったね」とこれまた日本語で言うと、ウンウン頷いている。
オヤジがまだ話したそうなので、カバンの中から小さいスペイン語の本を引っ張りだし
オヤジに突きつけてみた。 本の中の文章で会話が始まる。
「どこから来たの?」「何歳?」「名前は?」と・・・お見合い状態。
「今から家に帰って家族とテレビを見るが、遊びにくるか?」・・・・・など、会話(?)は続く。
そうだ!ついでに今のうちに、広場へ行くバスの乗り場を聞いておこう。
以下、スペイン語の本は抜き。

わたし:(日本語)「プエルタ・デ・ソルに行くんだけど、AUTO BUS(バス)はどこ?」
オヤジ:(スペイン語)「バス?行くなら電車で行きなさい」
わたし:(日本語)「えー、電車いや。」(日本語)
オヤジ:(スペイン語)「ダメダメ。電車がいいよ。」
わたし:(日本語)「じゃぁ電車のエスタシオン(駅)はどこ?」(日本語)
オヤジ:(スペイン語)「あっち。あのエレベータを上がって。」
わたし:(日本語)「メンドクサイな」(日本語)
オヤジ:(スペイン語)「うーん、じゃあ荷物あるからタクシーは?」
わたし:(日本語)「タクシーかぁ、その方が楽か・・・タクシーはどこ?」
オヤジ:(スペイン語)「あっち。外。電車はあっち。エスカレーターのとこ」 (以下続く)

・・・未だ何ゆえ言葉の分からないモノ同士の会話が成立したのか不明だが、
お互いに妙に納得し、最後にがっちりと握手してにっこりと別れたのだった。
「愛があれば言葉は要らない」
オヤジと私の間にもちろん男女の愛は芽生えてないが、語学力はあまり要らなかったようだ。

記述:2001

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